■三菱圧胴方式両面印刷機■
2000年2月に三菱圧胴式両面印刷機DAIYA402Pが導入。近代印刷術の祖であるグーテンベルクの誕生600年にあたります。印刷業界にとって意義のある本年初頭に新しい印刷機が導入出来たことを喜びあいたいとおもいます。当工場において松村社長によりスイッチがONされ、全従業員が見守る中、書籍印刷の歴史の新しい第一歩が踏み出されました。まさに新しい時代をスタートする瞬間であったと思います。さて「圧胴式両面印刷機」というと、聞き慣れない方が大半だとおもいますので、簡単に説明しておきます。当社の書籍印刷本文印刷において活躍しているのはB-Bタイプの両面機です。この機械は上版用と下版用のブランケット胴同士が接していて、この間を紙が通ることにより一度に両面印刷を可能にしたものです。これに対して、圧胴式両面印刷機は上の版を刷る時も下の版を刷る時も圧胴で圧を加えながら印刷をします。もちろん一度に両面を印刷できることはB-Bタイプと同じですが、印圧のかかり方などが違ってきます。下の版を印刷するための印刷ユニットがさかさまになっていると考えればよいのです。つまり下版用のユニットは圧胴が上にあって、次にブランケット胴、その次に版胴という胴配列になります。このような構造なので、印刷式の背丈は非常に高くなります。(約4m)このため、当社では工場の天井から釣り下げられているダクトの一部を切ってしまったほどです。圧胴式両面印刷機の最大のメリットは写真の再現性が優れていることです。テスト刷りの折りに50倍のルーペで見ても、網点が非常にシャープに再現されているのが確認されました。また文字印刷でも従来のB-Bタイプと同レベルでの印刷が可能です。当社に導入された機械は三菱重工では初の1色+1色の圧胴式両面印刷機で、産声を上げたばかりの印刷機です。スペック的には、インキキーリモコン装備で他にも随所に新しい機能がそなわっています。近年、高速化が進むオフセット印刷機でありますが、この圧胴両面機も例外ではありません。MAX回転速度は13000枚/時ですが、常時、10000枚/時前後での運転が可能です。当社で使用するもっとも一般的な用紙で9000枚〜11000枚/時のフル稼働で、一層の生産の向上が見込まれることとおもいます。